ゲーム理論なんて通用しない子育ての難しさ
こんにちは!今日も元気に育児してますか?
子育てに使えるゲーム理論、という切り口でいろいろと子育てに役立つアイデアをお伝えしていこうと思っていますが、正直なところ、子供というのはゲーム理論が通用しない代表的な存在です。
なぜなら、ゲーム理論というのは「合理的」に先読み推量し、その推量を元に現在の行動を決定する。という事に他ならず、ゲームの相手(子育ての場合はこども)が合理的でない場合、先読み推量が役に立たない場合が多々あるからです。
こどもは理不尽の塊
こどもというのは理不尽の塊みたいなもんですもんね。
- 靴を右から履きたかったのに左から履かされた!と言っては30分泣き。
- 道路の白線からはみ出ちゃったと言っては1時間泣き。
…とまぁ、大人になってしまうと、そんなことに注力しギャン泣きできることの方が不思議に思いますが、だれしも幼かったころには譲れないなにかがあったのでしょう。
さて、そんな不合理な行動(考え)をする”こども”相手に、どのようにゲーム理論を応用していけばよいのでしょうか?
お子さんにとってのメリットを考えよう
こまかなアイデアはおいおい紹介して行きますが、本日の重要ポイントは、
- お子さんにとっての利得(メリット)となるのは何ですか?
ゲーム理論の世界においては、利得は最も重要な行動基準をつかさどる考え方です。ビジネスの世界においてはとても簡単で、それは「お金」です。
多く獲得できればできるほど良い。ビジネス界の共通認識です。それは競合企業同士でゲームする場合もしかり。企業(店舗)とお客さんという関係においてもしかり。片方の利得が片方の損失となる。
いかに多くのお金を獲得するのか?(残すのか?)というのを考えるだけでよいので、ゲーム理論を利用して物事を考えるのは非常に適しています。
ビジネスの世界(まぁ、ほぼ一般社会でも)においては「お金」で考えられる「利得」の部分は万人共通と言ってよいレベルの事なので問題ありませんが、これが子供相手となると、そうはいかなくなります。
そもそも、年齢によってはまだ「お金」そのものの理解ができていない場合もありますし、数を数える練習中のお子さんもいることでしょう。ですが、きっとなにかしら「利得」を求めて行動しているのは間違いありません。
赤ちゃんでさえ、自分の利得
- おなかすいた
- おむつが汚れた
- 安心したい、などなど
のために「泣く」という労力を使って行動しているではありませんか。
子どもにとっての利得/不利益は何か?
子どもにとっての利益
ですので、まず、お子さんの利得となるのは何か?を理解することからはじめてみましょう。
- おもちゃを買ってもらう事や
- おやつを食べる事
- 楽しい場所に遊びに行く事や
- 褒められる事 などなど
どのような物でも事でも結構です。お子さん自身が「得した!」と思えれば、それは利得です。まずはそれを発見しましょう。ひとつでも、ふたつでも、もっとたくさんでも。それを獲得するために「労力」を使う事はお子さん自身の中では合理的なのですから。
子どもにとっての不利益・損失
一方、利得の反対の「損失」という考え方も使えます。お金の場合はひとつの軸で利得も損失も考えられるので簡単ですが、子育ての場合はそうもいきません。お子さんはどんな事を「損失」と考えるでしょうか?
- おもちゃを捨てられる
- おやつを禁止される
なども当然、損失と言えると思います。他には、
- 親に叱られる(怒られる)
- 親の愛情を得られなく(感じられなく)なる
などもあると思います。
注意点。損失を駆け引きの材料にしないこと。
ご注意いただきたいのは、子育てにゲーム理論を応用する際も、できるだけ「損失」を交渉や駆け引きの材料にしないでほしい。というところです。
利得はお子さんによって違いはあれど、どのようなモノを利用しても全然問題ないと思うのですが、損失についてはできるだけ慎重に選択する必要があります。
なぜならその損失は、もしかしたら親の理解を超える影響力があるかもしれないからです。親からすると今の子育てゲームのひとつの交渉条件にしか過ぎないもの。と考えられるような些細な事でも、子供からすると、本人も気づかないかもしれませんが、大人になっても引きずるような、成長に重大な影響を及ぼす可能性すらあるからです。
実は、利得に関してももちろん成長に重大な影響を及ぼす可能性はありますが、ポジティブな面に関しては成長と共に最適化されていくのでそれほど気にする必要はないと考えます。ですが、ネガティブな面に関しては最悪「トラウマ」と言われるような心の傷になってしまう場合もありますし、そうなってしまったらその傷を取り除くのはとても難しくなってしまいますので、ネガティブ材料をもって交渉に挑むのはできるだけ慎重に。
お子さんにとっての、利得と損失。
まずはこれらを理解する事からスタートしましょう。